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日々感じたことをメモ書き

【読書メモ】学びとは何かについて考えてみる

今日こんなツイートを目にした。

確かにそうだよなあと思いながらも、「あれ?勉強法て何だろう」「今まで何をするにしても塾とかに行ったことないから一応自分の勉強法みたいなのは確立しているけど、学びて何だろう」とそもそもの部分から「学び」について今まで考えたことなかったことに気がついたので、「学び」に関する本を読むことにした。

1.『学びとは何か(探求人)になるために』を読んでみた

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

 

 今回はこの本を読んだのだけれど、結果的にすごく良かった。

  • 記憶力が良いというのはどういう状態を指すのか
  • 知識とは何なのか
  • 直感力はどこから生まれるのか
  • 「生きた知識」を獲得するには
  • 努力・才能について。果たして天才と呼ばれている人は遺伝子のおかげなのか

本書では「学び」について認知科学の視点から考えていく。これから本書を読んだメモを書き残していく。

2.学習することは熟達に向かう過程

学習していくうちに今までできなかったことができるようになり熟達に向かっていく過程を経験する、というのは誰でも一度くらいあるのではないだろうか。でも熟達の過程はここで終わりではない。

あることが手早く正確にできた先には、他人には真似ができない達人レベルの熟達がある。誰もがあの人は達人だと認めたとしても、学びに終わりはない。達人になっても、達人だからこそ学び続ける。その過程でだれにもまねできない独自のスタイルが生まれる。

3.記憶力が優れている人とは

記憶力が優れている人とは、記憶すべき情報を後で取り出しやすいような形に変換することが上手な人

 

本書に登場する四つの型の記憶の達人たちを分析すると「記憶力がよい」ということは

  1. もともとは意味のなかった情報に意味付けをする能力
  2. 必要な情報を見極めてそれを細かく観察する能力
  3. 目の前の情報をすでに頭に持っているデータベースと関連付けて分類する能力

これらの能力を持っていることを指していることが分かる。

つまり「記憶力がよい」人は、他の人とは違った特殊な脳の作りをしているわけではなく、訓練によってこれらの能力を身に着けた。努力次第でだれもが身につけられるわけである。

4.記憶とスキーマの関係

スキーマとは

私たちは日常で起こっている何かを理解するために、常に「行間を補っている」。実際には直接言われていないことの意味を自分自身で補いながら、日常的に経験する様々な事象を理解しているのだ。行間を補うために使う常識的な知識、これを心理学では「スキーマ」と呼んでいる。 

 

人は自らスキーマをつくり、そのスキーマのフィルターを通して物事を観察し、解釈し、考え、記憶する。ただし、スキーマは経験的につくられた、いわば「思い込み」でもある。そのため、いつも正しいとは限らない。

 

専門用語がすべて解説されていても、全体の論旨がわからないことも多い。これは、その専門分野での背景知識(その専門分野のスキーマ)が足りないため、書かれていないことの行間を補うことができないからだ。

これはぼく自身、大学で法学部に所属していたのでよく理解できる。法律に関する文献をよんでも専門用語が多すぎる上、背景知識もないため全く理解できないという経験をした。

記憶は主観的につくりだされるもの

日常生活における記憶は「客観的な出来事の記録」ではなく、知識のフィルターを通して解釈され、構築されたものである。

 

記憶は主観的に作り出されるものである。スキーマは入ってくる情報を自分にとって意味のあるもにし、記憶することを助ける。しかし、その半面、スキーマによって、実際には見なかったものを見たと思ってしまったり、記憶がゆがめられて、実際のものと違った形で思い出してしまったりすることも頻繁に起こる。

5.学んだ知識を「生きた知識」にするには

知識は体の一部になってこそ生きて使えるようになる。逆に言えば、体の一部になっていない知識は、使えないということである。

これは本当にその通りだなあと感じざるを得ない。大学受験のために英単語をたくさん覚えたにも関わらず、いざ話すとなると全く口から英語が出てこないという経験をした。所詮、頭で知っているだけの知識は使えない知識ということなので、実際に使わないと身につかないというのはよく理解できる。 

6.他者から学ぶときに大切なこと

スポーツやプログラミングにしろ、ほとんどの場合、人は誰かがそれをしているのを見て、それを真似てやってみることから始める。人を模倣して学ぶ時に大切なことは、

  1. 自分が実際に身体を動かして習得しなければ、何千回、何万回観察しても熟達者と同じような脳の働き方になることはないというのを知ること
  2. 他者から学ぶときは、他者の行為を分析し、解釈し、心の中でその動きをなぞり、それを実際に自分の身体を使って繰り返すこと

7.「知識=事実」という考え方では「生きた知識」は身につかない

このように思い込む人が多いのも日本の教育、とくにテスト文化による影響が大きいと筆者は考えている。どれだけの多くの事実を知っているかを問うことがテストでもっとも扱いやすいため、小さい頃からぼくたちは習慣的に事実を覚え、それを思い出してテストに書くということを繰り返してきた。

 

「知識=事実」という考え方はケバブのような「ぺたぺた貼り付けモデル」だと筆者はここではそう表現する。

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最も役に立つ「生きた知識」とは、知識の断片的な要素がぺたぺた塗り重ねられて膨張していくものではなく、常に変動していくシステムみたいなもであり、このシステムは要素が加わることで絶え間なく変化していく「生き物」のような存在である。

8.熟達のレベルに達するにはどうすれば良いか

フロリダ州立大学の教授で熟達の認知研究の第一人者によると、国際的に活躍できる熟達のレベルになるにはどんな分野においても一万時間程度の訓練が必要になるそうだ。一日二、三時間毎日訓練を続けると10年くらいになる計算。

時間より質が大切。そしてなにより集中度が大切

研究では時間だけではなく質についても調査をした。その結果、

  • アマチュアレベルの人たちは楽しみのために練習をする
  • 熟達者たちは、練習は楽しみではなく向上のために行っている

9.天才と呼ばれる人たちに共通していること

天才と呼ばれている人たちに共通しているのは向上への意欲だけではない。自分の状態を的確に分析し、それに従って自分の問題点を見つけ、その克服のためによりよい練習方法を独自で考える能力と自己管理能力が非常に優れているのである。

 

一流になる人々は、どういうことが出来るようになりたいのか、一流のパフォーマンスは何なのかを具体的にイメージできる。つまり、自分の中で理想とするパフォーマンスが心の眼で「見える」。そして、そこに向かって自分が何をすべきなのかを考えることができる人々なのである。

おわりに

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

 

これから社会人として働くまえにこの本を読んでよかったと思う。会社で働き始めると、うまくいくこともあればうまくいかないこともたくさん経験するはずで、そんな時に今回はうまくいったがもう少し改善できた部分はないのか?と考えたり、失敗から学べることを探すといった姿勢がとても重要になってくると思う。何年たってもどんなこと、どんな人に対しても「学ぶ」という姿勢を忘れたくないし大事にしたい。